不気味な手紙のイラスト

― 手紙に映る影は、誰のものなのか ―

私の部屋の机に、古びた封筒が置かれていた。

差出人不明、宛名は「君」だけだった。

封を切ると、濃い黒インクで書かれた一行が現れた。

「見つけたら、すぐに来い」

差し込み紙の裏には、暗号めいた数字列が走っていた。

何かを示すのだろうか。

私は胸の鼓動が高まるのを感じながら、電話番号を控えた。

その番号は、かつて行方不明になった友人・里奈のものだった。

「里奈が…?」と心の中で呟くと、背後で椅子が軋む音がした。

振り向くと、誰もいない。

部屋の電灯はちらつき、壁に映る影がゆっくりと揺れた。

私は手にしたスマートフォンで、暗号を解析しようとした。

数字は逆さまに読むと、座標を示す緯度と経度に変換できた。

その地点は、郊外の古びた倉庫だった。

直感と恐怖が交錯し、足は自然とその方向へ向いた。

倉庫の扉を開けると、薄暗い中に古い木箱が置かれていた。

木箱の中には、里奈のスマートウォッチと、血の染みた布切れが入っていた。

そして、最奥の壁に刻まれた文字――

「見つけたのは君だけだ」

背後で再び椅子が軋む。

私はゆっくりと振り向くと、そこにぼんやりとした影が立っていた。

その影は、私の姿を映し出す鏡のように揺らめいていた。

――ここから、すべてが始まったのだと、心の奥底で悟った。